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壊れて行く心

美玖の人生は桃子と出会い変わった。
ふたりだけでいられる時間を持つために退職を決めた。

それはふたりが少しずつ壊れて行った証拠だったのかも知れない。
思うように介護に取り組めないジレンマと他のスタッフとのすれ違いがそうさせたのだ。
何故そこまでふたりが介護と言うものにこだわったのかは分からない。
譲れない気持ち、自分たちだけはそんな介護員になりたくないと思う気持ち。
それがふたりの気持ちを動かした。

主任と3人で最後に話したとき主任は言った「仲良し以上のものを見せるから他のスタッフと上手く行かない」と。
主任にはふたりの関係が分かっていたのかも知れない。
ふたりが職場で浮いた存在になって行くことを感じ取っていたのだろう。
主任に惜しまれながらふたりは職場を後にした。

ふたりで一体何が出来るのか分からない。
それでも人との係わりを断ち切ってしまいたかったふたりは思い切った行動に出た。
冷静に考えれば誰もが反対するであろうふたりの決断。
ワンルームをふたりでシェアした。

そこで一体ふたりに何が出来るのかもまったく未知の世界だった。
それでもふたりの心はそれほどまで壊れてしまっていたのだ。
ふたりだけの時間を持つようになってお互いの心は癒された。
そんな時間の中でも美玖は時折不安を感じていた。
桃子との時間をあまりにも大切にあまりにも重視しすぎたからだろう。
家族よりも大切な存在になった桃子。
桃子との出会いが美玖に大きな影響を与えていた